賀茂祭(葵祭)の前儀で最も規模が大きく重要な祭りは、賀茂御祖神社(下鴨神社)で12日早朝より執り行われる御蔭祭です。この祭りは、賀茂祭(葵祭)の期間、比叡山の山麓八瀬の御蔭神社より下鴨神社に神霊(荒御魂)をお迎えする神事です。行列は国内で最古の神幸列だそうですが、神幸列を形成する方々は神社側神官、氏子、その子女合わせて凡そ120名と大規模なものです。その儀式の概要は、御蔭神社の神霊を迎えに行く神幸列が下鴨神社を出発する際の儀式(行粧進発之儀 9時半頃)、八瀬の御蔭神社に到着後、神霊(荒御魂)を神馬に御搭乗いただく儀式(御蔭山之儀 正午頃(非公開))、そして神霊(荒御魂)を乗せた神馬を中心とした神幸列が下鴨神社に戻った後、境内糺の森(切芝)でおこなわれる歓迎レセプションに相当する神事(切芝神事 15時半頃)、そして最後に下鴨神社本殿に迎える儀式(本宮之儀 16時半頃(非公開))で締めくくるという一連の儀式が御蔭祭です。
行粧進発之儀は、下鴨神社境内で御蔭祭に参加される方々の整列で始まります。舞殿において宮司以下神官が巫女さんによる、お清めの後、手を清め御手洗川畔で樹下神事が行われます。次に橋殿に飾られていて、行列に持参する神宝具や武具を神幸列の方々一人づつに手渡されます。全て手渡されると行列を整え下鴨神社から御蔭神社に向かう歓盃の儀がおこなわれ、一行は境内楼門を通り八瀬の御蔭神社に向って出発します。現在では、下鴨神社から八瀬の御蔭神社までの行程はバスによる移動となります。
by fushimi_no_occhan
| 2010-05-12 23:19
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