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三十六歌仙の一人 猿丸大夫 縁の地 (宇治田原 猿丸神社 ) (2009年09月03日)

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禅定寺さんを出て、さらに車を大津方面へと進めます。程なく、山合の路肩が開けた所に、場所的に似つかわしくない大型の駐車場があり、その入口に「こぶ取りの神様」猿丸神社と書いた大型の看板が目に飛び込んできます。そして人気のない山奥に伸びる山道に石造りの鳥居が見えます。「こぶ取りの神様」が気になり初めて参拝します。ここは京都府宇治田原町禅定寺粽谷というところで、「こぶ取り爺さん」の童話に由来するのかなと思いきや、さにあらず、ここは三十六歌仙の一人、猿丸大夫が晩年隠棲したと云われている縁の地です。その山道を行くと参道となる石段が見えてきますが、そこは裏参道で、さらの大きく右へカーブする山道の奥に表参道の石段があります。木々が鬱蒼と覆い被さる参道を登った先に祠があり、そこが猿丸大夫の霊廟の上に奉祀され、大夫を御祭神とする神社の本殿です。本殿前には小振りながら烏帽子を被り神具を持つ猿の狛犬があります。本殿前の境内は、麓の駐車場と対照的に猫の額(イヤ、猿の額?)のような狭い境内です。
「古今和歌集」、「小倉百人一首」に詠まれている歌、「奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋はかなしき」 が猿丸大夫の作といわれています(余談:これが花札の「もみじと鹿」の組み合わせのルーツ)。その歌を刻んだ歌碑が麓の駐車場の入り口にあります。
古来より「こぶ取り」の御利益があるとされているようですが、その因果関係は良く判りません。駐車場の入り口の大型の「こぶ取りの神様」の看板を見落とせば、通過してしまいそうな人気のない所ですが。最近では、「こぶ取り」が転じて「癌平癒」にも御利益があるとされ、知る人ぞ知るで、毎月の月次祭には大勢の人たちが祈念に来られるとか。その日は大型駐車場では地域起しの一環として地元の特産品を売る猿丸市が開かれ、バスの臨時便が出るほど賑わうということです。ここを訪れるのは、猿丸太夫が詠まれたように秋深くなってからが良いかもしれません。かのとき、「方丈記」の鴨長明、深草瑞光寺の開祖、元政上人らも太夫を訪ねて当地に足を運んでいたとか。なお、石川県金沢にも同じ御由緒の猿丸神社があります。
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by fushimi_no_occhan | 2009-09-03 22:10


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