東山三十六峰の東斜面、山科盆地の西面中腹、山科区西野山桜の馬場町にひっそりと佇む曹洞宗永平寺派のお寺さん、神遊山金地院と号す、近畿三十六不動尊霊場会第24番札所の岩屋寺さんがあります。寺の創建は古く、平安初期とのこと。境内奥に隣接する山科神社の神宮寺であったと伝えられ、当初の天台宗から後に曹洞宗に改宗されています。このお寺さんは、御存知元禄期の大サスペンスドラマ、忠臣蔵で知られている赤穂城筆頭家老大石内蔵助が、御家断絶、赤穂城明け渡し後、1701(元禄14)年、外戚にあたる東山泉涌寺塔頭来迎院の住持を頼り、来迎院の檀家となり、寺請証文を得て、山科のこの寺に隠棲し、主君浅野内匠頭の仇を討つべく、吉良上野介への討入りを画策した事で全国的に知られています。その後、寺は火災などで荒廃していましたが、幕末期第32代京都西町奉行所の浅野長祚(浅野家の末裔)が発願、再興し、現在に至っています。境内には大石内蔵助、浅野内匠頭他、四十七士像を祀るお堂の他、内蔵助の遺髪塚、満願成就後取り壊された内蔵助の隠棲の住居の廃材で造られたという茶室可笑庵があります。茶室内部は当時の造作を残しているとのこと。お寺さんの参道となる長い石段の先の山門脇には古木の枝垂桜が見頃を迎えていました。また境内前の山科盆地が一望できる余地にも大木の枝垂桜も見事に咲いていました。岩屋寺さんから山腹に沿って山道を少し北へ行ったところに、大石内蔵助を祀る、大石神社がありますが、本殿前の大枝垂桜は、未だ見頃一歩手前の状態でした。見頃は数日後でしょう。
by fushimi_no_occhan
| 2010-03-23 12:21
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